2009年05月02日

イメージのちから

イメージを効果的に取り入れると絶大な効果を発揮する。

それが如実に現れたのが、1960年のアメリカ大統領選。
J・F・ケネディが歴史に残る接戦でリチャード・ニクソンを破り大統領に当選したときのケネディ陣営の戦略である。

当時、ケネディもそこそこの知名度はあったものの、現職の副大統領であるリチャード・ニクソンには及ばなかった。
それを逆転できたのは、大統領選で初めて取り入れられたテレビ討論が大きな理由とされている。
実際にテレビ討論の直前に行われた支持率調査ではニクソンの支持率が勝っていた。

当日のケネディの服装は、背広は濃紺、ネクタイは赤と青のストライプ柄、シャツはライトブルーだった。
当時アメリカの一般家庭のテレビは白黒のため、濃い色の背広ははっきりとしてテレビ移りも良く、頼りがいのある、力強い印象を与え、ネクタイも赤と青という濃い、コントラストがはっきりしたもので、こちらも積極的でエネルギッシュな印象を与えた。

対してニクソンは、ブラウンのグラデーションのスーツ。
ケネディの背広とシャツに比べると薄く、白黒テレビでは背景に溶け込んではっきりせず、弱く、ぼやけた印象を与える結果となった。

さらに、ケネディはテレビ用の顔をはっきりと見せるメークをして望んだのに対し、ニクソンは体調が悪かったにも関わらずテレビ用のメイクをせず、放送時刻が夕方だったため、髭が伸びた状態で放送に望んだ。

ニクソンは「議論の中身が重要」として、テレビ討論に臨み、実際その中身はラジオで聞いていたケネディ陣営のスタッフは、選挙戦は敗北すると感じた程の内容だった。

しかし、テレビ討論を見ていた人々は、ケネディに情熱的で頼れる若々しいリーダーというイメージを与え、ニクソンのテレビ映えしない姿にケネディの方が大統領に相応しいという世論を生み出した。

その後、形勢は逆転。ケネディが第35代合衆国大統領に就任した。

このときケネディ陣営でこれらの戦略を打ち出した「イメージコンサルタント」という仕事は、その後一般化し、現在では服装・髪型だけでなく、話し方のトーン、間の取り方、視線の移動まで考えてイメージをコントロールする人間がいる。

今では大統領選のテレビ討論で候補者が着るスーツの色も、ほとんどがケネディが着ていたのと同じ、濃い紺色に近いものとなっている。

ラベル:雑学 歴史
posted by 曲げわっか at 15:36| Comment(0) | 雑学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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